2007年11月07日
ギター
・・・無事帰ってきました。
先月の日記に書いたコイツ。
「ヤマキ」のロゴを真っ黒く塗りつぶして、かわりにわけのわからんロゴが書かれています。
「マーチス」。どうやらヤマキのB級品を通販で叩き売ってたサブブランドみたいです。
バックは単板のハカランダ。
サウンドホールからお仏壇のにおいがします(爆)
× × ×
とりあえず音が出せる状態にしてもらって、ダメになったら材をとっておいてウクレレでもつくるかな?と軽いノリでいたのですが、
ネックが超逆反り
トップが数箇所割れて沈んでた
ナット割れてた
サドルがなぜかブリッジにボンドでべったり固定されてた
表裏のブレイシングがほとんど浮いてた
・・・・等等、結果的にものすごい大手術になっちゃった。
でも、修理費用はすごく安かった。
修理お願いしたショップのご主人(名前は敢えて伏せます)いわく、
「自分もコイツの本来の音を聴いてみたかったんでネ。」
× × ×
これは別のショップの話。
高価なビンテージや一点モノの手工品に混じって、
60~70年代に流行った国産の「ピックギター」が並んでいる。
「ナルダン」とか「古賀」とか「木曾日弦」とか・・・
クレイジーキャッツの映画で植木等がジャキジャキ弾いてたギター。
わたしが子供の頃、学校の物置やら粗大ごみやらに転がってたギター。
当時のものは丸太ん棒みたいなネックに加えて弦高がクソ高くて、非常に弾きづらいうえにろくな音が出なかった。
でも、このショップに並んでるやつらはまったくの別物。
ネックや弦高は完璧に調整され、くたびれたパーツは必要最小限の範囲であたらしいものに交換されている。そこから出てくるのはピックギター特有の、ツブが揃ってポコッと暖かな音色。
憂歌団で有名になった茶木や、ギブソン周辺のいくつかのブランドを別にすれば、
この手の国産ピックギターが驚くような値段で売り買いされることなんて未来永劫ないんじゃないかと思う。
でも、ショップの主人は言う。
「こうしてきちんと調整してやれば、ちゃんとした音が出るんだよ。これが、こいつらが造られた当時の職人さんが目指していた音色なんだよ。」
・・・カタログスペックや市場価値のレベルで、こういう古楽器に詳しい店はとても増えた。
どの楽器にどういう弦を張って、どういう付加価値とセールストークをくっつければ高く売れるかに恐ろしいほど精通してる楽器屋さんたち。
一方で、その楽器が造られた時代背景や造ったひとびとの息遣いまで含めて、ほとんど皮膚感覚のレベルでその楽器に「惚れる」感性を持ち合わせた楽器屋さんたちがいる。
大事に弾かなきゃな、と思います。
Posted by 独酔舎 at
00:11
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