2014年05月14日
「三角君」
むかし、あるひとがビールの自作に挑戦した。
まだ、ネットも未発達な時代に
ある種のコネをフル回転して
某国製の〝ビール醸造キット〟をゲット!
労働力は、物好きな友人や後輩たちを動員し、
日の当たらない書架と書架の隙間に置かれた大鍋のなかで
「ビールの赤ちゃん」がふつふつと産声をあげた。
× × ×
できたての麦汁の中には、
ものすごい種類の菌類がひしめいている。
それが、発酵が進むにつれて駆逐され、
最終的に「酵母の一人勝ち」の状態になっていくのだという。
そのひとは、毎日麦汁の状態を
高倍率の顕微鏡(・・・なんでそんなものが!)で観察した。
確かに、「その他大勢」の菌のひとたちは
日に日に姿を消して、
ぷちぷちと愛らしいビール酵母がそだっていく。
・・・しかし、
ど~しても一種類だけ、
そのひといわく
〝なんかへんな三角形の〟菌が
ど~しても
ど~~しても
ど~~~しても、消えてくれない。
いちおう、人の口に入るものだから
(・・・わたしはヤダ)
規定外のものが混ざっているのはまずい。
温度であるとか、水分であるとか、
ずいぶん苦労したようなのだけど、
結局、その「三角君」は消えてくれず、
発酵が極まって、酵母のほうがへたってしまった。
大鍋の中身が、排水溝に流された夜、
市販のビールで、めでたく〝残念会〟がいとなまれた
・・・のだ、そうだ。
まだ、ネットも未発達な時代に
ある種のコネをフル回転して
某国製の〝ビール醸造キット〟をゲット!
労働力は、物好きな友人や後輩たちを動員し、
日の当たらない書架と書架の隙間に置かれた大鍋のなかで
「ビールの赤ちゃん」がふつふつと産声をあげた。
× × ×
できたての麦汁の中には、
ものすごい種類の菌類がひしめいている。
それが、発酵が進むにつれて駆逐され、
最終的に「酵母の一人勝ち」の状態になっていくのだという。
そのひとは、毎日麦汁の状態を
高倍率の顕微鏡(・・・なんでそんなものが!)で観察した。
確かに、「その他大勢」の菌のひとたちは
日に日に姿を消して、
ぷちぷちと愛らしいビール酵母がそだっていく。
・・・しかし、
ど~しても一種類だけ、
そのひといわく
〝なんかへんな三角形の〟菌が
ど~しても
ど~~しても
ど~~~しても、消えてくれない。
いちおう、人の口に入るものだから
(・・・わたしはヤダ)
規定外のものが混ざっているのはまずい。
温度であるとか、水分であるとか、
ずいぶん苦労したようなのだけど、
結局、その「三角君」は消えてくれず、
発酵が極まって、酵母のほうがへたってしまった。
大鍋の中身が、排水溝に流された夜、
市販のビールで、めでたく〝残念会〟がいとなまれた
・・・のだ、そうだ。
Posted by 独酔舎 at
21:24
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