2014年06月12日
ジェットストリーム(ストリ~ム、トリ~ム、リ~ム、~ム、ム、ム・・・・)
「すっとこほ~い・すっとこほ~い・すっとこほ~い・・・」
コンクリうちっぱなしの殺風景な部屋の中で
奇妙な電子音を発する、白く巨大な筒。
こ、これが噂の人体輪切りマシーン「MRI」。
なんという異様な存在感!!
亡き母の闘病中はさんざんお世話になったが、
まさかこれほど早く、自分がここに入る日が来ようとは・・・!
付属の寝台に横になると、
「造影中に動かないように」ってんで、上半身とアタマを器具で固定されてしまう。
で、スタジオで写真撮影するときにホコリをはらうのに使う
ブロワーみたいのを持たされて、
「何かあったら強く握れ」という。
(゚Д゚;)なにがあるというのか!!
最後に、両耳にヘッドホンがかぶせられ、
いまどきちょっとないくらいローファイな音質で
NHKの「ジェットストリーム」的なムード音楽が流れ始める。
「すっとこほ~い・すっとこほ~い・すっとこほ~い・・・」
「ジェットストリーム」のまったり感を台無しにして
鳴り響く電子音の中、
寝台はしずしずとせりあがって
「筒」の中に吸い込まれていき、
ついでにわたしも
吸い込まれていき、
目の前20センチくらいに、「筒」の内壁。
(・・・ああ、棺桶に入ってるみたいだな。)
(・・・焼き場の窯に入るときって、こんな感じかな。)
そんなことを思いついてしまうと、
「ジェットストリーム」のまったりした音楽すら、
妙に〝お葬式のBGM〟的なものに聴こえてきてしまう。
やばい。
俺って閉所恐怖症だっけ?
そういえば、すごく狭いエアダクトとか下水管みたいなとこに詰まって
動けなくなる悪夢を見ることがある!
ダダ上がりする脈拍、呼吸!
と、その瞬間、
「ぎょ~~ん!!ぎょ~~ん!」
「がん!がん!がん!」
昔懐かしいピンボール
あれにそっくりの、衝撃音が全身を覆う。
なんだなんだなんだ!何が起こったんだ!
「びよ~ん!びよよ~ん!」
「ばふっ!ばふふっ!」
・・・自分がゲームセンターの床下に迷い込んで
動けなくなった忍者になった気分。
もはや「ジェットストリーム」は、なんの救いにもなっていない。
というか、この異常なシチュエイションを強調する
役割しか果たしていない。
握るか!
ブロワー的なもの、握っちゃうか!!
・・・それからの20分間は、
ただただ「苦行」でありました。
おそるべし、「筒」。
おそるべし、「MRI」。
× × ×
なんと、この一か月の間に、くび・脳・腰と、三か所ものMRI検査を受けてしまいました。
上は、第一回目の「くび」バージョンの実況中継です。
「筒」と「ジェットストリーム」と「ピンボール」にやられ、
真っ白な灰と化した頭で、それでも冷静に分析する。
(・・・狭いのとうるさいのは構造的なもんだから、どうにもならんだろう。
唯一どうにかできるとしたら、・・・そうだ!あのBGMか!)
× × ×
2回目、脳のMRI。
エンジニアのにいちゃんに
「あの~、BGMって選べたりするんですか?」
と、きいてみる。
「はい、選べますよ。今日はですね、コブクロとエンヤと、古い映画音楽特集と、あとNHKのジェットストリーム(や、やっぱり!!)」
「え、エンヤでお願いします!」
結果的に、エンヤとMRIはなかなかに相性がよかった。
あの、ヤマもオチもない歌声にピンボールのような機械音がからむと、
なにやら、ひところ流行ったインダストリアルミュージックのよううな
奇妙な安定感が!
脳ですからね。
時間的にも、前回よりだいぶ長かったのですが、
とりあえず、がまんはできました。
まあ、体もあの環境に慣れはじめていたのかもしれないが。
× × ×
三回目、腰のMR。
すっかりなじみとなり、
冗談すら言い合う間柄となったエンジニアの兄ちゃんに、
「BGM、これかけてください!」
と、差し出すCD
『矢野顕子 忌野清志郎をうたう』。
(柳家花禄の落語と、西沢和弥と、さいごまで迷った。)
「あ、いいっすよ!」
意外なほどかる~く
望みはかなえられ、
3度目のMRIは、これまでの2回より
時間が短かったこともあり、
ちょっと鼻歌でも歌っちゃおうかな~、くらいの気軽さで、
ああ、これでまたひとつおとなになれたよね
という、克服感が、ありました。
× × ×
結論。
MRIの、あの狭さとうるささは変えられません。
現在のところは!
でも、あのBGMは
ユーザー側の意志で、変えることができます!
これから、はじめてMRI検査を受けるあなた。
勇気を持って、言ってみてください。
「BGM、このCDかけてもらっていいですか?」
コンクリうちっぱなしの殺風景な部屋の中で
奇妙な電子音を発する、白く巨大な筒。
こ、これが噂の人体輪切りマシーン「MRI」。
なんという異様な存在感!!
亡き母の闘病中はさんざんお世話になったが、
まさかこれほど早く、自分がここに入る日が来ようとは・・・!
付属の寝台に横になると、
「造影中に動かないように」ってんで、上半身とアタマを器具で固定されてしまう。
で、スタジオで写真撮影するときにホコリをはらうのに使う
ブロワーみたいのを持たされて、
「何かあったら強く握れ」という。
(゚Д゚;)なにがあるというのか!!
最後に、両耳にヘッドホンがかぶせられ、
いまどきちょっとないくらいローファイな音質で
NHKの「ジェットストリーム」的なムード音楽が流れ始める。
「すっとこほ~い・すっとこほ~い・すっとこほ~い・・・」
「ジェットストリーム」のまったり感を台無しにして
鳴り響く電子音の中、
寝台はしずしずとせりあがって
「筒」の中に吸い込まれていき、
ついでにわたしも
吸い込まれていき、
目の前20センチくらいに、「筒」の内壁。
(・・・ああ、棺桶に入ってるみたいだな。)
(・・・焼き場の窯に入るときって、こんな感じかな。)
そんなことを思いついてしまうと、
「ジェットストリーム」のまったりした音楽すら、
妙に〝お葬式のBGM〟的なものに聴こえてきてしまう。
やばい。
俺って閉所恐怖症だっけ?
そういえば、すごく狭いエアダクトとか下水管みたいなとこに詰まって
動けなくなる悪夢を見ることがある!
ダダ上がりする脈拍、呼吸!
と、その瞬間、
「ぎょ~~ん!!ぎょ~~ん!」
「がん!がん!がん!」
昔懐かしいピンボール
あれにそっくりの、衝撃音が全身を覆う。
なんだなんだなんだ!何が起こったんだ!
「びよ~ん!びよよ~ん!」
「ばふっ!ばふふっ!」
・・・自分がゲームセンターの床下に迷い込んで
動けなくなった忍者になった気分。
もはや「ジェットストリーム」は、なんの救いにもなっていない。
というか、この異常なシチュエイションを強調する
役割しか果たしていない。
握るか!
ブロワー的なもの、握っちゃうか!!
・・・それからの20分間は、
ただただ「苦行」でありました。
おそるべし、「筒」。
おそるべし、「MRI」。
× × ×
なんと、この一か月の間に、くび・脳・腰と、三か所ものMRI検査を受けてしまいました。
上は、第一回目の「くび」バージョンの実況中継です。
「筒」と「ジェットストリーム」と「ピンボール」にやられ、
真っ白な灰と化した頭で、それでも冷静に分析する。
(・・・狭いのとうるさいのは構造的なもんだから、どうにもならんだろう。
唯一どうにかできるとしたら、・・・そうだ!あのBGMか!)
× × ×
2回目、脳のMRI。
エンジニアのにいちゃんに
「あの~、BGMって選べたりするんですか?」
と、きいてみる。
「はい、選べますよ。今日はですね、コブクロとエンヤと、古い映画音楽特集と、あとNHKのジェットストリーム(や、やっぱり!!)」
「え、エンヤでお願いします!」
結果的に、エンヤとMRIはなかなかに相性がよかった。
あの、ヤマもオチもない歌声にピンボールのような機械音がからむと、
なにやら、ひところ流行ったインダストリアルミュージックのよううな
奇妙な安定感が!
脳ですからね。
時間的にも、前回よりだいぶ長かったのですが、
とりあえず、がまんはできました。
まあ、体もあの環境に慣れはじめていたのかもしれないが。
× × ×
三回目、腰のMR。
すっかりなじみとなり、
冗談すら言い合う間柄となったエンジニアの兄ちゃんに、
「BGM、これかけてください!」
と、差し出すCD
『矢野顕子 忌野清志郎をうたう』。
(柳家花禄の落語と、西沢和弥と、さいごまで迷った。)
「あ、いいっすよ!」
意外なほどかる~く
望みはかなえられ、
3度目のMRIは、これまでの2回より
時間が短かったこともあり、
ちょっと鼻歌でも歌っちゃおうかな~、くらいの気軽さで、
ああ、これでまたひとつおとなになれたよね
という、克服感が、ありました。
× × ×
結論。
MRIの、あの狭さとうるささは変えられません。
現在のところは!
でも、あのBGMは
ユーザー側の意志で、変えることができます!
これから、はじめてMRI検査を受けるあなた。
勇気を持って、言ってみてください。
「BGM、このCDかけてもらっていいですか?」
Posted by 独酔舎 at
20:41
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