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2004年09月16日

お米の国のひとだもの?

赤米3.jpg

二月のK上市は雪にうずもれていました。種籾を分けてくれるという市立博物館は駅から7キロくらい。

バスの便がけっこう良いと聞いていたのですが、停留所に行ってみたところ、途中のK上川に架かる橋が架け替え中ということで、そちら方面はすべて運休ですと。

代替の橋は数キロ下流。歩いてじゃ何時間かかるかわからん。
・・・タクシーはわりと簡単につかまった。

運転手は50がらみのおっさんである。
ミラー越しにじろりとこちらを見る。
「お客さん、東京?」
「はい。」
・・・うそではない。家は埼玉だが、学校は東京だからな。

話好きな運転手さんで、地元の名所の話などいろいろしてくれる。

「お客さん、気がついた?いま、右手に大きな塚があったでしょ?」
確かに、住宅地の中にいきなり数本の松が生えた塚があった。
「あれはね、南部と伊達の境い目のシルシなの。」

南部と伊達。

伊達は伊達政宗で御馴染み、仙台は青葉城の伊達氏。
南部は石川啄木の和歌で有名な、不来方(こずかた)城の盛岡南部氏。

つまり、江戸時代のこと、仙台藩と南部藩の境界線がこのK上市を通っていたという。

「お客さん、伊達と南部ではね、ぜ〜んぜんちがうんだよ。言葉もしきたりも人情もね、ぜ〜んぜん違うの。
なにが違うかっていうとね、

・・・伊達の人間はそとづらばっかり良くて、腹の中ではなに考えてるかわかんねッ!!!」

凍りつく車内。

「ほんとに伊達の人間は性格が悪いんだよぉ。伊達から嫁をもらったりすると、一生苦労が絶えないんだよぉ。」

・・・あのぉ、すんません。話題変えていいっすか?

×   ×   ×

思うに、この運ちゃんは十中八九「南部」の出身者。そして、かれのオカミサンは「伊達」の出身者なのかもしれない。

運ちゃんとオカミサンはちょっとした行き違いから、ここ数日冷戦状態、なのかもしれない。

鬱々とした胸の中に、はるか昔に誰かが言った言葉がふとよみがえる。
「伊達から嫁をもらったりすると・・・」

×   ×   ×

江戸時代なんて百数十年昔のことなのに。

誤解のないように書いておくけど、わたしが知ってる「伊達」の出身者はみんな温厚でお茶目で人情に厚い、とてもいい人。「南部」の出身者も同様だ。

それなのに、日本のあちこちでいまだ蒸し返されるこの種の小さな諍い。
ましてやこれが顔立ちや言葉が違ったり、風習や信仰が違ったりしたら・・・

×   ×   ×

そんなこんなで、みちのくK上から持ち帰ってきた赤米の種籾の一部が、いまだにわたしの手元にあったりするわけだ。

もう12年も経っているので、これを蒔いても無事発芽するものかどうか。でも、それでもいいから蒔いてみたいっていうひとがいたらお譲りします。

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Posted by 独酔舎 at 19:21│Comments(2)毎日
この記事へのコメント
どんなもんだろうねえ。

自然種に近いのなら、逞しく発芽する確率も高そう。

最も重要なことは「うまいの?」 (∵)
Posted by ゲスト at 2004年09月17日 11:19
赤米をあたりまえに売ってるコンビニが皆無なくらいだから、

・・・まあ、それなり。

普通の白米と炊き合わせるくらいが関の山かなあ。
Posted by 独酔舎 at 2004年09月17日 19:41
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お米の国のひとだもの?
    コメント(2)