2005年08月31日
カンチさんキタ〜!
ブルースは生き様だ!的な言辞からは、どこかナルシスティックな臭いがしてしまう。
ナルシスティックなものへの違和感は、喜怒哀楽に加えて人生につきものの「はずかしさ」や「みっともなさ」が欠けていることへの違和感だ。「おまえ、ほんとにそんなかっこいいばっかの人生送ってんのかよ。」
はずかしさ・みっともなさには、クスクス笑いとともに、いつもある種の哀しさやいらだちが伴う。
一方、すべての哀しさやいらだちが、はずかしさ・みっともなさを備えているわけじゃない。
ぴかぴかにかっこいいブルースが観たい夜もある。でも、喜怒哀楽から「はずかしさ」「みっともなさ」までをバランス良く含んだブルースを観ると、元気になれる。憂歌団であり、有山じゅんじさんであり・・・
今回は観れなかったけど(わたしが事前に「楽しいブルース」を宣伝しすぎちゃったんで、ご本人、気を使っちゃったみたい)、カンチさんには純粋な「怒り」のブルースもあるのです。
カンチさんの演奏が終わり、やなぎさん一人がステージに残った。とたん、それまでちえちゃんの脇でサポートに徹していたPAの近藤さんが、自ら卓を操作し始めた。ああ、近藤さんがやなぎさんを認めている。そのことだけで単純に興奮している自分がいる。
・・・考えすぎかもしれないが。
なんにせよ、あのときやなぎさんと近藤さんが二人で創り出したサウンドはドラマティックで、まさに別格だったと思う。
「去年の(近藤)房之助さんの前座ではおとなしめにやりましたが、今回は激しい感じでやらせてもらいます。」
たしかに、あのときは私とのセッションが前提だったんで、かなり抑え目の演奏になっていた。でも、今回のステージでむき出しになったワイルドさ加減は、この1年間で身に着けたものが大きいような気がするのだ。
右手親指が刻むリフがボーカルを煽り立てる。シャウトの後に流れるようなオブリが忍び込み、それらすべてを変幻自在のエフェクトが包み込んで、つぎつぎとあたらしい「情景」をつくりだす。
ああ、いいなあ。ふたりとも、いい仕事してるなあ。
不遜は承知で、そう思ってしまう。
× × ×
1枚目の写真左端でわたしが怪しい動きをしてるのは、
別にややこしい世界と交信してるわけではありまへん。(謎)
Posted by 独酔舎 at 22:50│Comments(2)
│音楽
この記事へのコメント
そうそう、あれ!?っと思って後ろ見たら近藤さん座ってましたね。
Posted by ゲスト at 2005年09月01日 07:37
以前は(貧乏シンガーのひがみも手伝って)
「オペつきのPAなんてぜいたくぜいたく!」
なんて思ってたんだけど、
近藤さんの仕事にはときどき「凄味」を感じるんですよね。
「オペつきのPAなんてぜいたくぜいたく!」
なんて思ってたんだけど、
近藤さんの仕事にはときどき「凄味」を感じるんですよね。
Posted by 独酔舎 at 2005年09月01日 21:50