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2014年06月28日

茨木のり子展

世田谷文学館で、詩人の「茨木のり子」さんの特別展見てきました。
せっかくいい展示なのに、公報が地味な感じで、
わたしは一週間前、新聞のコラムでさらっと触れられていたのを見つけたのだけど、
その時点で会期は残り一週間を切っておりました。

仕事ほっぽってでも見に行きたかったのだけど、
いかんせん、(めずらしく)自分が動かないとどうもならんイベントが金曜日に入っており、
その準備やらで身動きがとれず

それらすべてやっつけた今日、ようやく見に行くことができました。


茨木さん、代表作(そうなのか?)である
「自分の感受性くらい」
http://anond.hatelabo.jp/20080612145129
のイメージが強烈すぎて、
これまでちょっと敬遠していたのだけど、

じっさい、冒頭に掲げた新聞のコラムでも、
「びっとしたひと、凛とした女性」みたいなとりあげかたであったのだけど、

ひょんなことで手にした、「獏さんがいく」という、
とても短い山之口獏の伝記、というかオマージュ
その、ていねいで愛情あふれる文体に、
「あ、ひょっとして、このひとこわい人じゃないかも?」

・・・そこから、
茨木さんの詩の世界にどっぷりのめりこむまで、
たいした時間はかかりませんでした。


結論から言います。
茨木展、ものすごくいいです。

たいした広さじゃない展示スペース
さらっとみてあるけば、たぶん30分もかからない会場から
まるでありじごくのように出られなくなってしまい、
午前11時に入って、
結局、外にでられたのは午後2時でした。

2B~4Bの、やわらかい鉛筆で、原稿用紙や便箋にふりまかれた
ふんわりした書体の、
そのほとんどが、家族や友人に向けた
それこそ身もふたもないくらいの愛情に満ちており、

尊敬する先達であり、盟友である詩人・石垣りんさんへの手紙は、
書いている途中で、石垣さん本人から電話がかかってきてしまったらしく、
「いろいろ書こうと思ったのだけど、電話でぜんぶ話しちゃいました、ばいばい!」

・・・ああもう、なんなんだよ。
・・・女子高生かよ!!

ほかにも、谷川俊太郎さんとか、吉野弘さんとかとの
交流であったり

そして、さいごの展示室は、
(ほんとに)白いベールで隔離されたなかに、
晩年の茨木さんの、いちばんだいじなものが
静かに並べられていて。

はい、この文章読んで、
ちょっとでも興味持ったかた。
見に行きましょうよ。
ぜったい損しませんよ。
一生のたからものになりますよ。

すくなくとも私にとっては、
そうでした。

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Posted by 独酔舎 at 22:44│Comments(0)
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茨木のり子展
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