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2019年01月08日

殺生

いきものを、たくさん殺す仕事をしております。

たとえば、10m×10mの土地の表土を50センチ剥がすとします。
想像してください。

1辺1mのサイコロ50個分の土壌がどかされて、ぜんぜん関係ない場所に山になるわけです。

さいしょのうちは、蛇だったり、トカゲだったり、ネズミだったり、昆虫だったり、ミミズやムカデだったり、
いろんな「住人たち」が、わらわらと這い出してきます。

でも、2~3日たつうちに、サイコロ50個分の「世界の残骸」は、
し~んと静まりかえって、

死の世界になります。

×   ×   ×

いきものを、たくさん殺す仕事をしております。

這い出した旧住人達は、よそに新天地を求めるわけですが、
そこにはすでにたくさんの生き物たちが暮らしています。

いや、そもそも「這い出せない」住人たちが何万、何億といるわけであって。

×   ×   ×

表土を剥いだあとの「現場」を、毎朝みてあるきます。
ちょっとした穴や段差のなかに、
カエルだったり、セミの幼虫だったりが、はまりこんでおります。

ひろいあげて、近場の草むらに放したり、セミだったら樹のねもとにちょっと穴をあけておいてやったりします。

でも、気が付くとそいつらみんな、
もとの「現場」にもどってしまって、
あいかわらず、にっちもさっちもいかなくなってしまっていたりします。

仕事がヒマなら、そいつらをもういっかいつかまえて、
さらに遠くまで離しに行ったりします。
でも、そんなゆとりのある日なんか、
一年になんぼでもないです。

×   ×   ×

いきものを、たくさん殺す仕事をしております。

わたしがこの仕事をつづけるかぎり、
たくさんたくさんの生き物が死んでいきます。

でも、わたしにはこれ以外に、わたしや家族を養う手段をもっておりませんので、
これからもたくさんたくさんのいきものを殺していきます。

仏教でいう、「業」というものなのだと思います。

肉食しなければいいってもんじゃないよね。
植物ならいいのか?
発酵食品につかわれる菌類なら?

だから、せめてプライベートでは、
殺さないですむなら殺さないように、
痛かったり、かゆかったり、死んじゃったりは別として、

ごまかしでもいいから、
すくなくとも目の前にいるいのちは、
奪わないですむなら奪わないようにできればいいと
思っております。

どんなにごまかしでもいいから。

×   ×   ×

いきものを、たくさん殺す仕事をしております。
じぶんが食べたり、呼吸したり、歩いたり、笑ったり、
そういうことと全く関係のない殺生をしております。

今日も殺しました。明日も殺すでしょう。
そうやって、じぶんをごまかしながら、生きております。
だから、

「池の水をぜんぶ抜いて、外来種ぜんぶやっつけて、在来種はバケツにいれて保護しました~!」とか、
「海の砂をさらってよそに移して、希少種を保護しました~!」とか、

ふざけんなよ、と
思うわけです。




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Posted by 独酔舎 at 21:34│Comments(0)
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