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2019年02月06日

伊奈半左衛門を知っていますか?

昔、一緒に働いていた若者が職場に訪ねてきました。彼はいま埼玉県伊奈町に住んでいるのですが、あれこれ話しているうちに、地元の伊奈町が「伊奈半左衛門忠次」で盛り上がっている、というマニアックな話題に。

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伊奈半左エ門を知っていますか?
江戸時代の幕臣で、家康の関東入府とともに三河からやってきて、現在の伊奈町に領地を与えられ、
主に土木事業をもって幕府に仕えた一族です。

初代の半左衛門忠次は江戸開幕にあたって当時江戸湾に注いでいた利根川の流れを東に替える大事業を命じられ、
二代忠治、三代忠克と、三代かかってこれを成し遂げます。

関東平野の広い地域が水害から救われ、利根川の水運は徳川三百年の流通経済政策の要となります。

このへんのサワリは、今年の正月時代劇『家康江戸を建てる』でとりあげられましたね。
忠次を演じたのは「孤独のグルメ」の松重豊さん。いかにも一癖ありそうな魅力的なキャラクターでした。

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江戸時代中期の1707年

「南海トラフ」を震源とした広域地震が発生。

富士山が大規模な噴火を起こし、現在の伊豆地方から神奈川県西部にかけての広い地域が火山灰に埋まります。

このとき、七代の伊奈半左衛門忠順(ただのぶ)は被災地の復興事業のトップに任命されました。

当時の幕府のスタンスは、荒れ果てた土地を事実上放棄する「亡所」。

「年貢はいらん。あとは好きにしろ。」

でも、忠順は被災地の農民たちを土木事業に動員して雇用を創出する等して、この見捨てられた土地の復興に力を注ぎます。
(この辺の事情は、新田次郎さんが長編の小説にしています)

四年後、気の毒なことに忠順は道半ばにして斃れます。復興事業を事実上丸投げされたストレスが、どれほどのものであったか・・・

富士山麓の東麓の須走には「伊奈神社」が建てられ、地元の人々によって忠順の魂は神としてまつられます。

今日初めて知ったのですが、この半左衛門忠順は伊豆のローカルヒーロー「イナハンザー」としてよみがえって、伊豆をふたたびスコリア(火山灰)で埋め尽くそうと画策する悪の化身「スコリア大王」と日々闘っているというのです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%82%B6%E3%83%BC
すごい。なんかマニアックすぎて、ほとんど感動的ですらあります。

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というわけで、これまで「土木建設業=地味な裏方」的な扱いであった伊奈半左衛門一族が、いま最高にアツいです。

これを読んでる文筆・マンガ・出版・演劇・音楽・放送関係のかた。「伊奈半左衛門」をテーマに、なにか一発ぶち上げてみては?

案外大当たりするかもしれませんぜ?

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Posted by 独酔舎 at 19:37│Comments(0)
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