ごめんねアストロボーイ

独酔舎

2011年03月18日 15:02

タイムマシンもエアカーもない未来で
季節外れの雪に立ちすくむ
ハイウエイはかたつむりでいっぱい
今夜は僕もそのなかにいる
テレビ電話のベルが鳴る
誰かいないかと呼んでいる
電池切れのロボットがそれを見て
「おつかれさま」ってつぶやいた
10万馬力じゃないけれど
遠くまで見える眼を持ってる
空飛ぶ靴はないけれど
なんでも聞こえる耳がある
ごめんね アストロボーイ
いつかほんとの友達になれる日まで
バイバイ アストロボーイ
深い井戸の底でおやすみ

背中越しに青い海を光らせて
少年は涙を流している
かんむりも重いガウンも剥がされて
灰色の肌を曝している
でっかい鼻の神様が
少年の肩を抱き寄せる
「おまえは優しい科学の子
でも強さだけじゃ誰も守れない」
10万馬力じゃないけれど
遠くまで見える眼を持ってる
空飛ぶ靴はないけれど
なんでも聞こえる耳がある
ごめんね アストロボーイ
いつかほんとの友達になれる日まで
バイバイ アストロボーイ
深い井戸の底でおやすみ

ゆうべ誰もいない街を歩いたんだ
8時前だってのに街はとても静かで
「ここから始まるのかな?」って思ったら
どこかで君がうなずいた気がした