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2012年02月11日

信頼できる歌い手

いまから10年くらい前、「ネオちんどん」というやつがブームになった。
ジャグやアコースティックスイングが流行りだすのと同じくらいかなあ。

主にジャズのプレイヤーが中心になって、
昔懐かしいちんどん屋の編成やレパートリーをなぞりつつ、
いまどきのポップスなんかもこなしていて、
結構好きだった。

「かぼちゃ商会」「ちんどん通信社」「花の家ちんどん」・・・

いろいろと音源を買いあさるなかで、
「ソウルフラワーモノノケサミット」という楽団が
アンテナにひっかかってきた。

ミクスチャーロック(・・・って、なによ?)の
「ソウルフラワーユニオン」の別動ユニット。

1995年、阪神大震災発生の三週間後に
何か音楽にできることはないかと現地入り。
「本当にそれが今やるべきことなのか」と迷うメンバーたちに
いいだしっぺの伊丹英子は
「ひとりでも行くで!」と叫んだと言う。

徒手空拳で乗り込んだ被災地で直面したのは、
老人・孤児・貧困層・出稼ぎ者
在日外国人・沖縄系住民
・・・復興のスケジュールから取り残されていく
災害弱者たちの姿だったという。

ライフラインの復旧も遠い被災地で、
電気楽器は当然使えない。

生ギター、三線、アコーディオン、ピアニカ
和太鼓、ちんどん太鼓、チャンゴ・・・

避難所の年寄りたちに届くように、
レパートリーには戦前の歌謡曲や民謡(日本・韓国・琉球の)が選ばれた。

ネタやリバイバルとしてではなく、
必要に迫られて立ち上がった「ちんどん」のバンドスタイル。
同時期の他の楽団と大きく異なるところだ。
http://www.youtube.com/watch?v=rLeS-Fm_6T0&feature=related
「お客さんがお年寄りだから
なつかしい歌をやってみましたよ」ってな
付け焼刃てきなところや
観衆に媚びたところがない
この編成で昭和歌謡やっても
きちんとロック=ダンスミュージックの音になってるところが
好きですネェ。
http://www.youtube.com/watch?v=-J9vR-JeAlU
震災復興のテーマソングとなって
多くのシンガーやバンドに歌い継がれ
今日、東北でも歌われている名曲。
このVTRでは「ソウルフラワーユニオン」と名乗っていますね。

リーダー中川敬の、ぶあつく男気あふれる声。
このひとは間違いなく「信頼できる」シンガーだ。

一聴して、「なにこれ、へんな曲!」と思っちゃう人もいるんだろうか。
感じかたはひとそれぞれだけれど、
たぶんそういうひととは未来永劫
お友達になれないんだろうなあ。

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Posted by 独酔舎 at 21:25│Comments(0)
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信頼できる歌い手
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