手酌でGO！

今日は一休み。

今日の午後、職場に実家から電話が掛かってきた。

わたしの母親宛てに、いわゆる「俺俺詐欺」の電話が掛かってきたらしい。
“近所の某警察署の刑事から”という触れ込みで、
●●（俺だ）が朝のＫ駅（実家の最寄り駅。ちなみに俺は実家に同居はしていない）で痴漢をやらかして逮捕されている（俺はクルマ通勤だ）。示談にするために200万円必要だから、すぐに用意して、折り返しこの電話番号（携帯だ！）に返信してくれ。大事にしたくないだろうから、警察には知らせないでくれ（・・・って、お前警察なんだろ？）。
自分はたいへん忙しい身で、同じ説明を何度も繰り返す時間はないから、お母さん以外の人が電話に出たり、相談したりはしないでくれ・・・

その後、「国選弁護人」が出てきて、なぜかこまごました金額の話をはじめ、さらに「自分のしでかしたことの重大さにすっかり取り乱して、まともに話も出来ない●●氏（俺だよ！）」までが登場して、泣きながら速く金を振り込むよう頼んだという。

ざっと記しただけでもベタベタにわかりやすい「俺俺詐欺」なんだが、どうも母親はこれを信じ込んでしまったらしい。一応テレビやら新聞でこの種の犯罪の予備知識も持っていたのに。

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ちなみに実家で上のやりとりが交わされている間、わたしの携帯にはひっきりなしに無言電話が掛かってきて、外部からの連絡が出来ない状態になっていた。ここらあたり、なかなか巧妙だ。

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ほとんど預金通帳持って銀行に「ヨーイドン」状態だった母親を、去年退職して自宅にいた父親が取り押さえ、ほんものの警察に電話してくれたので事なきを得た。

“刑事”からはその後も電話が掛かってきて、なんで警察に電話したりしたんだ！（いや、お前警察なんだろ？）とモメることしばし、だったそうな。

それにしてもこれほどベタなトラップにひっかかるなんて、よっぽどわたしがそういうことをしでかしそうな人間に思われてるんだろうか・・・という点は母親もやや気にしたらしく、数時間後に連絡をとったときには「朝の国道で自動車事故を起こして・・・」というふうにストーリーが変わってた。ふん。まあ、いいか・・・

（ちなみに「ほんものの警察」の対応というのがふるっていて、電話口でふんふんと話を聞いた挙句、「電話機を相手先の番号が表示されるタイプのものに買い換えたほうがいいですね。」の一言で終わりだったそうだ。）

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法律事務所に勤めてる友達の話。
「プロの詐欺師が、こいつを騙してやろうと本気で狙いをつけて来たら、騙されない素人なんかいない。」

わたし自身、ひところかなりマスコミで騒がれた大掛かりなペテンの現場に居合わせた経験があるが、「まさかこいつは引っ掛からないだろう！」というタイプから順に（わたしも！）、おもしろいようにひょいひょいと釣り上げられていったのを見ている。

寝ても覚めても、「なんとか世間をだまくらかして、警察のお世話にもならずに、金を巻き上げる方法はないかいな？」と、それば〜っかり考えてる相手に対し、日々の生活に追われてる我々は、こと「防犯」にかけてはあまりにアマチュアだ。

肝心の警察も、被害が起きるまでは何もしてくれない。

笑うなかれ。気をつけましょ。お互いに。

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